(01-03) 気の反応 (No.03)

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苦痛モード  

入門から二週間が経過したが, 相変わらず「きつい・つらい・休みたい」のおもいでトレーニングを続けていた。

師匠の要求通りの時間を守り, 手を抜かずに練功をしていたので, 脚の震えは止まらない。開始後15分までは殆ど楽勝モードといってよいのだが, 17,8分を過ぎると急に苦痛モードに転換され, 一刻も早く終わるのを待つのみである。

不思議なほどモード転換の時間がいつも正確に一致していた。車でも慣らし運転というのがあるのに, いきなりフルコースの本番とは, これが中国流のやり方なのであろうか。日本人に合ったやり方とは思えないのだが。このまま続けられるだろうかと, 不安がよぎる。

先輩からのアドバイス   

数週間経った頃, 先輩が小さな声でアドバイスをくれた。

「そんなに膝を深く曲げるからきついんだよ。最初はもっと軽く曲げればいいんだから」と。

なんのことはない, 師匠が模範として見せてくれた立禅の姿勢を, 未熟者の私がそのまま真似てしまったのが大きな誤りであった。

アドバイス通りに膝を軽く曲げて練功してみたら, 脚の震えもなく「きつい・つらい・休みたい」という切な思いも消えてしまった。心配は杞憂に終わった。どこにでも逃げ道, 脇道回り道いうものがあるものなのだ(冗談)。

最初の気感
   

入門当初から最低三ヶ月間は, 師匠の要求通りにトレーニングを続けることを決めていた。

もし三ヶ月間続けても, 何も変わらず, 先が全く見えてこないのであれば即座に止めることにしていた。石の上にも三ヶ月である。

答えは意外と早く出ることとなった。三週間が経った頃から, 練功中に手に腫れぼったいような感じが生まれ, やがて両腕の間に磁石のような反発力や引力が生じてきた。両腕を軽く内側に向かって動かすと, 両腕の間に風船があるかのように反発してくる。

逆に, 両腕を軽く外側に向かって同時に動かすと, 内側に引く力が感じられる。これが練功中に感じた最初の「気の反応(気感)」であった。

気感はあるかままに

入門前に手の平で感じた小さな気感とは違い, 身体の中から湧き上がってくるような反応であった。

「こんなことがあるのだ」という驚きと, 「気功」をやっているのだという実感をもてて, えらく満足したものだ。

何故か師匠は, どんな気の反応が出るかについて一言も触れない。

二年目に「外気功」に入ってから聞いた話では,「 練功中の気感はあるがままにまかせ, 執拗に求めるベきではない」と言う。

「気の反応を執拗に求めると, 上達が遅れるばかりでなく, 偏差(副作用)が出る可能性すらある」とも言った。そうこうしているうちにも, 練功中の気感は日一日と強くなり, かつ多様になって行った。

気功四千年

四千年という気が遠くなるほど長い時間を, 気功は消えることなく, 多くの世代の間を多種多様な形で受け継がれてきた。この事実は重い。

もし, ラジオ体操程度のものであるならば, 門外不出の秘伝の技として, 流派それぞれが師匠から弟子へと内々に継承され続けるはずがない。

私が入門したこの流派も, 千年をはかに超える時間を旅している。五十年前には, 厳重な塀の中(刑務所ではないが)だけで人目にも触れずに脈々と受け継がれてきたのである。

別の世界への可能性   

ほんの少しの気功の体験からも, 生命体には私が今まで全く知らなかったもう一面の真実の姿があるかもしれない, と思い始めるようになっていた。

そこには, 自分を含めた人間存在の別の世界への道が開かれる可能性があるかもしれない。とするならば, この道を踏み出す価値は大いにあるように思う。

逆に, 「気」を知らないまま人生を過ごしてしまったのでは, 取り返しのつかない大いなる損失に思える。練功しても失うものは何もないのだから。

   
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        【バーチャル気功空間 気の世界】隔週  
                                   

    発行元: 日本気功倶楽部
   監 修: 天地 一道
   編 集: 森澤 陽子

           

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